著者 : TakeshiAzumaTsuji
四時間半四時間半
ひろ子、ひろ子、どうしたんや。慌ててひろ子の横に膝を落とし、体を揺すり、何度も呼んだが、ひろ子は、死んだように動かない。 倒れてから何時間が経っているのだろう。直ぐに電話をしようとしたが、発信ボタンに指先がはじき返され、愛しさがこみ上げ、唇を重ねた。 ベッドの横で倒れている妻が、16歳で脳腫瘍を患い逝ってしまった息子に重なり、病院への不信感、怒りが渦巻く……。
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ひろ子、ひろ子、どうしたんや。慌ててひろ子の横に膝を落とし、体を揺すり、何度も呼んだが、ひろ子は、死んだように動かない。 倒れてから何時間が経っているのだろう。直ぐに電話をしようとしたが、発信ボタンに指先がはじき返され、愛しさがこみ上げ、唇を重ねた。 ベッドの横で倒れている妻が、16歳で脳腫瘍を患い逝ってしまった息子に重なり、病院への不信感、怒りが渦巻く……。