著者 : loundraw
“サマーゴースト"という幽霊が現れるという。 夏、使われなくなった飛行場、花火をすると、彼女は姿を現すらしい。自殺した女性の幽霊なのではないかという噂だ。 ネットを通じて知り合った高校生、友也・あおい・涼。3人は“サマーゴースト"を探すために集まった。 3人は幽霊に聞いてみたかった。“死ぬって、どんな気持ちですか?"それを聞くべき理由が、3人にはあったのだーー。 10代からイラストレーターとして活動し、近年はアニメ、作詞、小説、漫画、と多彩なクリエイティビティを展開する俊英・loundraw。 その初監督の劇場アニメーションを、脚本を担当した乙一(安達寛高)手ずからノベライズ。 『花火と幽霊』をモチーフにした姉妹作のオリジナル小説『一ノ瀬ユウナが浮いている』も2021年11月26日に発売予定。
つらくて忘れたい記憶を消してくれるという都市伝説の怪人・記憶屋。記憶屋に会いたいと願った人々は、あの時どんな想いを胸に秘めていたのかーー? 切ない涙があふれだす、珠玉の3篇!
中学生の山浦大志は、“完璧”でなければいけなかった。 家にも学校にも居場所を作らず、世界に絶望していた彼は、ある日、夕陽の落ちる公園で少女と出会う。 古びたカメラを提げ、青い瞳をしたその少女は、写真を撮りながら旅をしていると語った。 誰よりも自由に羽ばたく彼女に、大志は自然と心惹かれていく。 だが、出会いから1ヶ月がたった頃、名前も知らぬその少女に大志がついに想いを伝えようとすると、 彼女は思いがけない言葉を残し、それっきり姿を消してしまったーー。 彼女はなぜ、どこへ、消えてしまったのか? それから7年、“完璧”な大学生になった大志は、写真共有アプリで偶然見つけた1枚の画像から、またしても奇妙な出会いを果たすことになる。 時を越え、場所を越え、人々の前に姿を現す不思議な少女と、その軌跡を追いかけ続けた一人の不器用な少年。 時と、場所と、人。 全ての点が繋がるとき、少女が胸に秘めていた“ある後悔”が、二人の運命の歯車を大きく動かしていく。 イラストレーターとしてデビューし、装画担当作品の累計発行部数は400万部以上を記録。 さらに、近年ではアニメーション、マンガ、音楽などの分野でも活躍するなど、いま、その才能に注目が集まるloundraw。 “イラストレーションの表現の壁を越える” ために言葉で創られる物語は、 ダイナミックな世界観と、鮮やかな描写力で紡がれたラブストーリー。 雑誌『ダ・ヴィンチ』での連載を大幅に改稿し、カバーイラスト&挿絵を全て自ら描き下ろした、渾身の初小説。
正直、ままならないことだらけの図書館業務。 でも、まあまあ楽しい毎日です。 みさと町立図書館分館に勤める遥は、33歳独身の実家暮らし。 本の貸借トラブル&クレーム対処をはじめ、 家庭内の愚痴聞きや遺失物捜索など色々ある図書館業務は、ままならないことが多い。 でも小さな町の図書館分館では、訪れる人たちの生活が感じられる。理解もできる。 だから、ここではちょっと優しくなれるのだ。 いなかの図書館を舞台に描かれる、 小さな町のハートフル・ストーリー。 [装画] loundraw