著者 : tabi
みどりの海を覚えているみどりの海を覚えている
職場でトラブルを起こして仕事も居場所も失った深浦奈波(ふかうら・ななみ)は、しばらくの間、五島列島の祖母のもとで過ごすことになった。小学生の頃にも暮らしていた家だ。 過疎化が進む島で、奈波はどこか懐かしい少年に出会う。 「今日は何ばして遊ぶ?」 彼とともに過ごすうち、奈波は少しずつ小学校時代の出来事を思い出して……。 失われたものたちと再び出会う、ひと夏の不思議な体験。 すでに現実には存在しなくなったもの・ことの「化身」との対話が、疲れきっていた主人公を再起に導いてゆく。五島列島の架空の島を舞台にした、ローファンタジー×現代ドラマ。 【装画】tabi〈https://potofu.me/tabisumika〉 序 1 体育館ーー戻らない時、やつれ切った心 2 教会ーーそばかすを、ひとなで 3 渡海船ーー風を感じて、風になって 4 小学校ーー帰りたかった、この道を 5 コケオレ食堂ーーそれから、これから 終
PREV1NEXT