帰去来
警視庁捜査一課の“お荷物”志麻由子は、連続殺人犯の捜査中に、何者かに首を絞められ気を失う。目覚めたのは異次元の「光和26年のアジア連邦・日本本共和国・東京市」だった。もう一人の自分は異例の出世をした“東京市警のエリート警視”。闇組織からは命を狙われ、警察内部でも汚職警官の摘発など、非情な捜査方法が非難を浴び、孤立無援であることを知る。戸惑いながらも彼女は、“エリート警視・志麻由子”となって捜査を継続するしか方法がなかった…。
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帰去来帰去来
旧家に生まれた者の“暗い宿命”を描いた太宰治「私小説集」。明治四十二(1909)年六月、太宰治こと津島修治は青森県北津軽郡に誕生、のちに遠く東京にあって望郷の念を募らせていた。太宰は、津軽での幼・少年期を“遺書”のつもりで書き綴った処女作「思い出」で文壇デビュー。その後、兄との不和から十年ぶりとなった帰郷を描いた「帰去来」、母危篤の報を受けての帰郷を描く「故郷」、そして、時局差し迫る中での津軽旅行をまとめた「津軽」と、旧家に生まれた者の暗い宿命を描いている。前四作品に加え、名作「富嶽百景」を含む太宰の私小説で構成したアンソロジー集。解説を同じ東北出身の作家・佐伯一麦氏が特別寄稿。 2019/06/13 発売