dele ディーリー
『dele.LIFE』の仕事は、誰かが死んだときに始まる。死後、誰にも見られたくないデータを、その人に代わってデジタルデバイスから削除するーそれが、この会社の仕事だ。新入りの真柴祐太郎が足を使って裏を取り、所長の坂上圭司がデータを削除する。淡々と依頼を遂行する圭司のスタンスに対し、祐太郎はどこか疑問を感じていた。詐欺の証拠、異性の写真、隠し金ー。依頼人の秘密のファイルを覗いてしまった二人は、次々と事件に巻き込まれる。この世を去る者が消したかった“記録”と、遺された者が抱く“記憶”。秘められた謎と真相、そして込められた想いとは。“生”と“死”、“記憶”と“記録”をめぐる連作ミステリ。