ホルケウ英雄伝 この国のいと小さき者 下
囚われのチキランケを鎮所まで追ってきたマサリキンだったが、自らも牢に入れられた上に、反乱軍との関係を疑われ、死罪が下されてしまう。一方按察使は、モーヌップの地から蛮族と叛徒を一掃し、王化政策を進めようと企てるが、農民の逃散は止まらなかった。悲劇的な運命に翻弄されるチキランケが歌う、『風の歌』は人々の心を打ち、いつしか鎮所の誰もが口ずさむ歌になっていた。その頃、遠く離れたタンネタイの森には、エミシの反乱軍・ヌペッコルクルが今にも集結しつつあった。
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静かなる野、モーヌップ。坂東から移り住んできた豪族の圧政に、エミシの民は苦しめられていた。憤りを覚えた青年マサリキンは、女奴隷となる運命のチキランケを奪い、馬で逃亡を試みる。さらにマサリキンの黒馬が敵将の愛息を噛み殺したことで、二人は窮地に立たされた。豪族への敵対は、帝への叛乱。マサリキンは鎮所を牛耳るウェイサンペどものお尋ね者となるが、はぐれたチキランケは囚われ、按察使の寝所に召し出されてしまう。運命はマサリキンに反乱軍への参入を促していたー。税と圧政に苦しむ東北の民と、奴隷となる運命の恋人を救うため、青年は刀を手にとった。壮大な古代史ファンタジー! 2016/12/24 発売