The MANZAI 十六歳の章(1)
父親の看護のためにアメリカに行った秋本のことを、高校生になった歩は全く気にしていないつもりだったが、やはり心のどこかに引っかかっていた。ある晩秋本の夢を見た。翌朝幼なじみのメグも、『ロミジュリ』サポートメンバーも……。案の定、秋本が帰国する。少し背が伸びて。でも、開口一番仲間たちが語ったのは『ロミジュリ』の再活動。秋本はしかも、高校生の漫才甲子園に出場するのだという。何を勝手に、と反発の言葉を口にしても少しだけホッとする歩だった。もう子どもではない、大人の手前の十六歳。若さに揺らぐ気持ちを笑いと涙で描く、大人気青春小説の書き下ろし、続編登場!
1 すべて世は事も無し
2 油断大敵は金言だった
3 ご用はなんですか
4 これまでとこれから
5 ぼくたちの行方
6 気合と愛と漫才を
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転校生の歩は、突然クラスメートの秋本に呼び出され告白される。「運命の出会いや。おれと漫才コンビを組んでくれ!」拒みつつも彼のペースに巻きこまれ、文化祭で『ロミオとジュリエット』の漫才劇をやることに。「秋本は、なんでぼくなんかを選ぶんだ」前の学校で不登校になったことが、姉と父を事故死させたのだと自分を責める歩。だが秋本との出会いが、何かを変え始めていた。笑いと友情が繊細に描かれた10代の物語。 2018/06/15 発売