大ぼら吹きの城(1)
今川義元率いる軍勢が、三河から尾張へと侵攻せんとする頃。小者頭の藤吉郎は、清洲城で見かけた美しい娘に、身分も顧みず求婚していた。浅野又右衛門の養女・於禰に、「儂は天下人になる男じゃっ」と吠えてみたものの、にべもなく振られる始末。今川との戦いに際し、織田信長に同道するが、出世はなかなか見込めない。だが、西美濃侵攻に際し、信長から木曾川の川筋衆の頭目・蜂須賀小六の調略を命じられる。川筋衆を味方につければ、犬山城攻略は圧倒的有利に運ぶ。千載一遇の機会を得た藤吉郎は、小六の許へ乗り込むが、信長を嫌う小六は一筋縄ではいかなかったー。