ひとりぼっちじゃない
歯科クリニックに勤める雇われ歯科医のススメは、小さい頃から人とのコミュニケーションがうまくとれない。クリニックにいるソツのない他の先生たちにあこがれる一方、歯科衛生士たちからの反応を過剰に気にしている。日々、前向きに生きようと日記をつけているが、いつしか毒を吐いている。やがて、アロマオイルを扱う店に勤める宮子さんに惹かれるが、彼女はある秘密を持っていた…。平凡であるように見えて不可解な日常、歪んでいく人間関係、それでも生きていく意慾を、一人の中年の視点で描ききった著者初の小説。