はだれ雪 上(1)
若くして扇野藩士の後家となった紗英は、江戸から配流されてきた旗本・永井勘解由の接待役兼監視役を命じられる。この年、江戸城内で赤穂藩主浅野内匠頭が吉良上野介を斬りつける事件が起きた。勘解由は浅野の切腹直前、“最後の言葉”を聞いたという。その行いが将軍綱吉の機嫌を損ね、流罪となったのだ。だがある日、浅野家国家老大石内蔵助が密かに訪ねてくる。勘解由に惹かれていた紗英は、自らの立場との間で揺れ動くー。
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はだれ雪はだれ雪
扇野藩に流罪となった幕府の目付役・永井勘解由。若くして扇野藩士中川家の後家となった紗英は、勘解由の接待役兼監視役を命じられた。この年、江戸城内で藩州赤穂の大名浅野内匠頭が高家筆頭吉良上野介を斬りつける事件が起きていた。浅野内匠頭は即日切腹。だが勘解由は老中に切腹見合わせを進言し、切腹直前、ひそかに浅野内匠頭の“最期の言葉”を聞いたという。その行いが、将軍徳川綱吉の機嫌を損ねたのだった。雪が舞い散る中、屋敷に到着した勘解由を迎え入れた紗英は、役目を全うしようとするがー。身分を隠し、勘解由の元を訪れる赤穂浪人。勘解由のやさしさに惹かれてゆく紗英。扇野藩に、静かに嵐が忍び寄る。時代長編! 2015/12/22 発売