闇の聖域
東京から大連に渡った警察官は猟奇殺人を追い、命が尽きる予感に抗う画家は、最後の恋に生きる。警視庁を退職して満洲・大連警察署特務巡査となった河村修平は、初勤務早々、殺人事件の捜査に携わる。被害者男性の首には頸動脈を狙ったような傷があり、修平は東京で起こった殺人事件との類似に気づく。一方、新進画家の中村小夜は街で偶然出会った青年ルカへの想いを深めてゆくが、彼には一族にまつわる秘密があった。やがて小夜は警察が事件の容疑者としてルカを追っていることを知る。ただならぬ予感に満ちた圧巻のサスペンス×ロマンス長篇。