タラニス 死の神の湿った森
イギリス・ウェールズで少年ジョージが暮らす「タラニス屋敷」。「タラニス」とは「死の神」を意味するケルトの神だ。魔法の取り決め「ゲッシュ」とともに秘密ですよと家政婦のミツコがジョージに語るのは、メリッサという少女の物語。メリッサは、子供を食べる死の神に生きたままかまどで燃やされたという。そのかまどがお屋敷の廃墟部分『死者の間』にある、近づいてはいけないー。けれども一緒に話を聞いた兄アルフレッドはそこに行こうと言い出して…。廃墟の秘密の扉を開けてしまい、夜な夜な現れるようになったメリッサの亡霊。そこに隠された真実と、ツェルニーン家の秘密とは。やがて法医昆虫学者として日本を訪れる、ジョージ・クリストファー・ツェルニーン。彼の少年時代に秘められた悲しく凄絶な物語。