まろ丸伊勢参り
六十年に一度、皆が伊勢神宮へ向かう、おかげ参りの年。六つになる姪の結に、大坂の大店の跡取りになる養子話が舞い込んだ。しかし、本家からの迎えは来ず、なぜか伊勢まで結を連れて来て欲しいと文が届く。うまい話に乗っていいのか見極めるため、両替商の三男坊・九郎は、姉夫婦から頼まれて結を送ることに。拾ったばかりの仔犬のまろ丸をお供に旅に出たものの、行く先々で困った事に遭遇し、九郎はそのたびに良い考えを求められ……。
己の居場所が見つからない九郎と、大店の財を継ごうとしている結が、明日を懸けて東海道を西へ行く!
一 上方からの文
二 日本橋〜品川
三 品川〜小田原
四 小田原〜箱根
五 箱根〜丸子
六 丸子〜島田
七 島田〜舞坂
八 舞坂〜吉田
九 吉田〜岡崎
十 岡崎〜四日市
十一 四日市〜伊勢
十二 西へ、明日へ