伊賀忍法帖
戦国の梟雄・松永弾正は、主君三好家の美姫・右京太夫に邪恋を抱いた。そして己が欲望を成就せんと、幻術師・果心居士配下の根来僧七人に催淫剤を作るための美女狩りを命じた。淫石と呼ばれるこの媚薬を口にした女人は、男に対して本心を失い、一匹の淫獣と化すという。犠牲となったのは伊賀忍者・笛吹城太郎の妻・篝火であった。操を守って自決したものの、死んだ体を根来僧に犯され、さらに弾正の妾と首だけすげ替えられた。慟哭し、半狂乱の城太郎は怒りを胸に復讐を誓うが…。伊賀忍法と根来忍法の血みどろの戦いを描く、風太郎忍法帖の代表作。