大親友の86歳のオバァとともに、楽園生活を満喫していた綾乃。しかし突然、神様にユタ(巫女)になれと強制されてしまいーー。沖縄の豊かな伝承を舞台に、圧倒的なイメージ喚起力と想像力で描く幻想的な物語。
「ワジワジーッ(不愉快だわ)」ガジュマルの樹の下で19歳の綾乃は呟く。神様のお告げで、ユタ(巫女)になれと命ぜられたのだ。困った彼女は86歳の大親友オージャーガンマーに相談するが…。あふれる方言、三線の音、沖縄の豊かな伝承を舞台に、儚い物語の幕が上がる。第6回日本ファンタジーノベル大賞受賞作。 1998/12/08 発売