針子の乙女(1)
前世の記憶を残したまま、技術貴族ヌイール家の子供に転生したユイ。それから数年後、十五歳になったユイは「針子」としての能力がないと判断され、邪魔者扱いされていた。そんな中、ユイはカロスティーラ・ロダンに「針子」として引き取られることに。彼女は、地獄の日々から救ってくれたロダンへの感謝の気持ちを込めて、ヌイール家で見せなかった「加護縫い」と「精霊との対話」で匂い袋を制作する。すると匂い袋を受け取ったロダンはそれが国宝クラスの代物であることに気がつき…。針と蜘蛛と精霊で織りなす幻想的な異世界裁縫ファンタジー物語、始まります。