全滅エンドを死に物狂いで回避した。パーティが病んだ。(1)
「--いやああああッ!? ウォルカ、し、死んじゃだめえええええッ!!」
日本から転生した冒険者ウォルカ。ダンジョン探索中に突如強大な魔物に襲われた彼は、仲間を庇って瀕死の傷を負ってしまう。その瞬間ようやく気づいたーーここが前世で読んだダークファンタジー漫画の世界で、自分が仲間もろとも全滅するモブキャラだったのだと。
バッドエンドを強く嫌うウォルカは、仲間のために死に物狂いで戦い奇跡的に魔物を撃破。片目片足を失いこそしたものの、パーティ全滅の運命を覆せたことに安堵していた。ところが、仲間の少女たちの様子がなんだかおかしくなってしまってーー
「今度こそ絶対に守るからっ!! だからお願い、見捨てないでぇ……!!」
「わたし、ずーっと傍にいますから。--いいですよね、せんぱい?」
「キミのために死のうって……そう決めたの」
ハッピーエンド至上主義な転生者と、彼に激重感情を抱く少女たちの【曇らせ】異世界譚!
【書籍版限定の書き下ろしエピソード2本収録】
・書き下ろしエピソード『ウォルカが死の淵から目を覚ましたときの話』
・書き下ろしエピソード『ウォルカが聖女全員から包囲網を敷かれる話』