小説むすび | 真っ白い殺人鬼

真っ白い殺人鬼

真っ白い殺人鬼

「ねえ、秘密のアプリって知ってる?」いつものように教室の片隅にいると、楽しそうな女子たちの噂話が聞こえてきた。“過去を自由に変えられる”という夢のようなアプリ。みんな噂話だとわかっているけど「あったらどうする?」と話題が絶えない。もし僕だったらどんな過去を変えるだろう?きっと「僕を『普通』の人間にして下さい」こう願うかな…。次の日、いつものように登校するとー友人の三宮春乃が消えてしまっていた。何故だかみんな春乃のことを憶えてないようだ。まるで元からいなかったみたいに。「誰かが“アプリ”を使って、この世から春乃が存在した過去を消した?」-秘密のアプリは夢なんか与えない。その日から噂は現実となり、僕たちの『普通』は壊れていった。II Vクリエイターアワード小説部門“最優秀賞”受賞作。

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