悪の皇女はもう誰も殺さない(1)
「お父様に認められたい一心でわたくしは邪魔者を皆殺しにしたのに……」
『悪の皇女』──ディアガルド帝国、唯一の皇女だったキャンディス・ドル・ディアガルド。
皇帝である父親・ヴァロンタンに愛されるために、気に入らないものをすべて排除していた残虐非道な彼女は、十六歳のころ、突如現れた異母妹のルイーズに全てを奪われ、悲しみと絶望を抱きながら父に首を斬られてしまう──。
しかし、なぜか次に目覚めると、五歳の頃の自分に戻っていて!?
この頃にはワガママの限りを尽くし、既に周囲から怯えられ嫌われ始めていたキャンディスは、このままではまた処刑されてしまう。
だが、まだどのような行動をすれば運命を変えられるかわからないキャンディスは……。
(そうだ、わたくしは今までと反対のことをすればいいのね! そうすれば絶対に死ぬことはないはずよ!)
前世とはすべての行動を真逆にする“真逆作戦”を実行!?
そんなキャンディスの変化に次第に皇帝たちも気付き始めて……!?
目指すは誰も殺さない、『いい皇女さま』!?
真逆の行動で未来を変える、王宮溺愛ファンタジー!
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「お父様なんて大っ嫌い!」 叫んだ後、脳裏に鮮明に浮かぶのは処刑の記憶ーー。 (あの時と同じ……お父様に殺されてしまうのよ!) 残虐非道の報いを受けて16歳で父帝・ヴァロンタンに斬首された『悪の皇女』キャンディス。彼女はなぜか5歳の自分に戻って、人生やり直し中だった。 前世と真逆の誰も殺さない『いい皇女』を目指し努力を重ねるが、ヴァロンタンはキャンディスの外出を禁じ、専属護衛を自ら選ぶことも許さない。 (やっぱりわたくしは、お父様に愛されていない) ヴァロンタンの真意も知らず、悲しみに心が沈むキャンディスは宮殿から脱走を決意する。 (わたくしは、ここで終わりたくない……!) この逃亡劇が導く未来は処刑か、それとも……!? 溺愛されている自覚も、溺愛している自覚もない、すれ違い王宮溺愛ファンタジー! 2025/08/16 発売