南条翔は其の狐の如く 1
十歳で両親を亡くして以来、幼馴染達に支えられてきた南条翔は、この春から高校生になった。ある日、頻繁に約束を破る幼馴染達を翔は怪しみ、後をつける。すると山中のあばら家で見たこともない、おぞましい化け物を退治する、幼馴染達を目の当たりにした。彼らのことは家族同然と思っていたが、翔の知らない姿がそこにはあった。彼らの秘密を知った同じ日。翔は、この世のものとは思えない、美しい銀色の狐と出逢う。あばら家に侵入してきた迷い狐は、くくり罠に捕まり、怪我を負っていた。それを救った翔は狐から懐かれ、その夜を一緒に過ごすこととなったのだがー。