殺戮と権謀に明け暮れた戦国時代に生まれながら、美と才をもって男の論理に抗した女性-細川ガラシャ。神への愛に自らをゆだねた清烈なその生涯を祈りとともに描いた著者初の歴史小説。
明智光秀の娘として何不自由なく育てられた玉子は、16になった時、織田信長の命令で細川忠興のもとに嫁ぐこととなった。女性が男性の所有物でしかなく、政略の道具として使われた時代に、玉子は真の人間らしい生き方を求めて行く…。実の親子も殺し合う戦国の世にあって、愛と信仰に殉じた細川ガラシャ夫人。その清らかにして熾烈な悲劇の生涯を浮き彫りにした著者初の歴史小説。 1986/03/27 発売