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光光
利一が小学生だった頃、仲間といれば毎日が冒険だった。真っ赤に染まった川の謎と、湖の人魚伝説。偽化石づくりの大作戦と、洞窟に潜む殺意との対決。心に芽生えた小さな恋は、誰にも言えなかった。懐かしいあの頃の記憶は、心からあふれ出し、大切な人に受け渡されるー。子どもがもつ特別な時間と空間を描き出し、記憶と夢を揺さぶる、切なく眩い傑作長編小説。 2015/08/06 発売
光光
ー見えないはずの物が見え、覚えているはずのことが消えて何が悪い?おれの記憶の中心には穴がある。それが“現実”というもので、掛け値なしの現実はなんと異常で気味悪く透明なものだろう。-月面基地での作業中に事故に遭った“男”。帰還したものの強い逆行性健忘症になってしまい、さまざまなことが思い出せない。が、中国人看護師との会話や、放浪していたところをかくまってくれた老婆、ホームレスの老人との出会いによって徐々に記憶を取り戻していく。はたして、“男”にとって光とは、闇とはなんだったのかー。近未来を舞台に、物質文明や人間の陰陽を見事に描出した傑作長編。第47回読売文学賞受賞作。 2022/07/14 発売