江戸で薬屋を営む時次郎の裏稼業は、公事指南。不義密通やら、呪殺など珍妙な依頼が舞い込む。困った人々の相談に乗り、事件の謎を解いていく人情たっぷりの時代小説。(解説/末國善己)
江戸時代、薬屋ながら副業として公事(裁判)の相談に乗る時次郎。そこそこ儲かってはいるが、高い書物を買うので余裕はあまりない。その事と子作りに熱心でない事を恋女房からは責められ通しだ。おまけに持ち込まれるもめ事は、一筋縄ではいかないものばかり。不貞を働いたとして殺された夫の潔白を証明したいと言われたり、破産したのに財産を隠していた相手から金を取り戻したいなどなど。さて、次はどんな厄介な事件が舞い込んでくるのやら?-。 2013/02/05 発売