終戦の年に生まれ九段の花街で芸者の子として育った“わたし"は、小学二年生のときに置屋「鶴ノ屋」の子・哲治と出会う。それは、不思議な運命の糸が織り成す長い物語の始まりだった。(解説/谷崎由依)
終戦の年に生まれた“わたし”は、九段の花街で育った。家は置屋から芸者を呼ぶ料亭「八重」であり、母は評判の芸者で、祖母がその雇い主をつとめていた。客として訪れた父は母と知り合い、わたしが生まれた。小学二年生のとき、わたしは置屋「鶴ノ家」に住む子・哲治と出会う。それは、不可思議な運命の糸が織りなす長い物語の始まりだったー。新境地を拓く魂の長編小説。 2013/12/05 発売