海を越えた者たち
タツミには確かな目標があった訳ではない。たどり着いたのがロンドンだったのだ。ナン焼きのためにケロイドができた左手をいつもポケットに入れて歩くネパール人グルン。子守りとなって挫折してゆく日本人女子留学生ナオコ…。白人から「黄色人」と軽蔑されながらもしぶとく生きる若者達をタツミの目を通して爽やかに描いた「すばる文学賞」入選作。他に「光の休暇」「闇の喜劇」を収める。
タツミには確かな目標があった訳ではない。たどり着いたのがロンドンだったのだ。ナン焼きのためにケロイドができた左手をいつもポケットに入れて歩くネパール人グルン。子守りとなって挫折してゆく日本人女子留学生ナオコ…。白人から「黄色人」と軽蔑されながらもしぶとく生きる若者達をタツミの目を通して爽やかに描いた「すばる文学賞」入選作。他に「光の休暇」「闇の喜劇」を収める。