誰かに思われることで起きてしまう犯罪。誰かを思うことで救える罪。親しい人を思う感情にこそ、犯罪の“盲点”はある。七つの短編を通して、人生の機微を穿つ、ミステリの新機軸。
コンビニの店員が男にナイフを突きつけられるなか、電話の音が響いた。『でていいか』店長が差し出したメモを見ても、男はなぜか何も答えなかったー(「文字盤」)。自首という言葉を聞くと、あの出来事が芹沢の頭をよぎる。刑務官が押さなければならない3つのボタンー(「ラストストロー」)。など全7編。家族とは、いったい何か?短編ミステリーの名手が放つ、情感豊かな犯罪小説集。 2019/09/20 発売