家族を失い、天涯孤独で身を寄せ合う「まこ」と「嵯峨」。お互いしか癒せない淋しさを抱えた、ふたりの恋のかたちとはー。静かな祈りに包まれる、待望の長編小説。
それぞれの母親を自殺で失った大学生のまことパン職人の嵯峨。まこは日々、喪失感に怯えては嵯峨の子を欲しがり、そんなまことを嵯峨は、見守っている。お互いにしか癒せない傷を抱えた二人。少しずつ一歩ずつ、捕らわれていた過去から解き放たれ、未来へと飛び立っていく。大人になる直前の恋と、魂の救済の物語。 2017/11/17 発売