人間のしわざ
男は戦場カメラマン。テロリストと関係を持ち始めた引きこもりの息子と暮らす。女との逢引先の海辺の部屋で男が語りだしたのは、長崎の町で掘り出された喉仏の骨、黒こげの殉教者の慟哭、そして30年前のあの雪の日の、爆心地での教皇の祈りだった。-デビュー20年。芥川賞、伊藤整賞、谷崎賞作家であり、長崎という土地の記憶を探りつづけてきた著者の、ひとつの到達点がここに。
男は戦場カメラマン。テロリストと関係を持ち始めた引きこもりの息子と暮らす。女との逢引先の海辺の部屋で男が語りだしたのは、長崎の町で掘り出された喉仏の骨、黒こげの殉教者の慟哭、そして30年前のあの雪の日の、爆心地での教皇の祈りだった。-デビュー20年。芥川賞、伊藤整賞、谷崎賞作家であり、長崎という土地の記憶を探りつづけてきた著者の、ひとつの到達点がここに。