坂下あたると、しじょうの宇宙
高校生の毅は詩を書いているが、全く評価されていない。一方、親友のあたるの小説には多くのファンがいて、新人賞の最終候補にも残っている。しかも、あたるは毅が片想いしている女子と付き合っていて、毅は劣等感でいっぱいだった。ある日、小説投稿サイトにあたるの偽アカウントが作られる。「犯人」を突き止めると、それはなんとあたるの作風を模倣したAIだった。あたるの分身のようなAIが書く小説は、やがてオリジナルの面白さを超え始め…。あたると違って、おれに才能はない。だけど友だちのために、最後に、書きたいー芥川賞作家が文学にかける高校生を描くエンタメ青春小説。