ふたりでいても、かなしい。ひとりでいても、いとしい。生きていくということ-その意味と真実とは。人々の交錯する心情を通して問いかける四つの物語。
ささやかでありふれた日々の中で、たとえどんなに愛し合っていても、人は知らずにすれ違い、お互いを追いつめ、傷つけてしまうものなのか…。夫婦、親子、恋人たち。純粋であるがゆえにさまざまな苦しみを抱え、居場所を見失って、うまく生きていくことができないーそんな人々の魂に訪れる淡い希望を、やさしくつつみこむように描く四つの物語。天童荒太の本質がつまった珠玉の作品集。 2005/05/25 発売