東京郊外の木造アパートに巣喰う女たちの吐息、体臭、愛憎、そして…。
美貌と才能とお金、そして幸せな家庭。全てに恵まれた作家の「私」は、執筆に専念するため、マンションを借りる。それは、担当編集者の三浦くんと甘い蜜の時間を過ごすためでもあった。やがて私は、隣の古アパートに住む、いわくありげな女達をもとに物語を紡ぎ始める。暗い過去を匂わせる101号室の大女。ヒモ男に寄生されている102号室の美女…。妖気と腐臭に満ちた妄執奇譚が、今、幕を開ける。 2004/08/25 発売