プレオー8の夜明け
名もなき兵士たちの日常を描いた芥川賞受賞の戦争文学ー第二次大戦後、戦犯容疑でサイゴン刑務所に抑留された日本兵の鬱屈した日々をユーモアたっぷりに描いた第63回芥川賞受賞作「プレオー8の夜明け」。他に処女作「墓地で」から、晩年の名品「セミの追憶」(第21回川端康成文学賞受賞作)まで、戦争の記憶をつむぐ短編十六作を収録。戦後七十年を超え、戦下の記憶は風化するにまかされる。三十年にわたる筆者の貴重な営みを通じ、名もなき兵士たちは、何を考え死んでゆき、生き残った者たちは何を思うのかー今改めてその意味を問いかける珠玉の“戦争文学短編集”。