金環蝕(下)
総理官邸と電力開発会社、建設会社が描いた巨大ダム建設をめぐる錬金の仕組みは、入札時にリーズナブルな額を提示した業者を失格させることで完成。突出して高い額を入札した竹田建設が請け負うことになった。その結果、官邸には巨額のカネが献金という名目で還流し、関係者らは歓喜の声を上げたが、突然総理が病に倒れてしまい、歯車は逆回転を始める。無頼派の国会議員・神谷直吉は、政財界の裏情報を握る石原参吉、政治新聞社の古垣常太郎の協力を得て、国会の場で不正を暴こうとするが…。実際の事件を題材として社会派作家・石川達三が描いた名作の完結編。
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完全版 金環蝕完全版 金環蝕
敗戦後、私ことメルローズ・ビシャスは、父の事業を助けて一族の再興を計ろうとしていた。そこへ、かつての敵軍将校であるクライシスから夏城への招待状が届けられた。断りきれずに向かった夏城で、私は、尊敬してやまなかった上官カート・フレグランス大佐と再会する。だが、美貌と英知で多くの崇拝者を得ていた大佐は、クライシスの夏城に囚われる性奴に身を堕とされていたのだ。悪魔的なクライシスは、誇り高い大佐を苦しめる手段として、かつての部下であった私に陵辱させようとしたー。世紀末の香り漂う耽美の世界。青年が知った禁断の城での遊戯とは…山藍紫姫子の最高傑作、書き下ろし2作を含め、待望の完全版刊行。 2000/11/04 発売