つむじ風(上)
クルマに跳ね飛ばされたらしい、ちょっと変わった青年・松平陣太郎を自宅に連れ帰った浅利圭介。失業中で妻から尻を叩かれっぱなしの圭介は、目撃したナンバープレートを手掛かりに一発逆転を狙っていた。しかし、ボーっとしていると思われた陣太郎が意外としたたかで、徳川家の末裔を名乗り、賠償金を巡る工作の主導権を握りはじめる。加害者として浮上したのは、公衆浴場の主人と流行作家の2名。そこに浴場同士の争いや作家の美人秘書、浴場主人の愛人らが絡んできて…。渥美清主演で映画化もされたユーモア小説の前編。
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つむじ風つむじ風
朝顔売りで糊口を凌ぐ作次は、変化小僧からの施しを待ち望む貧しいひとたちの声を耳にして決意する。「俺もやってみよう」。偽変化小僧となった作次は、残虐な盗賊・つむじ風一味が奪った二千両の隠し場所に気付く。五百両を掠め取った作次に不審な男たちが…。偽者の正体に気付いた変化小僧・仙太郎は般若同心・柚木源九郎とともに、つむじ風一味を追い詰める! 2014/11/12 発売
つむじ風(下)つむじ風(下)
クルマに当て逃げされた自称“松平”陣太郎は、その犯人を捜す過程で、三吉湯の主人・猿沢三吉には大学生の愛人がおり、小説家・加納明治が当て逃げ犯だったことを知る。一方、三吉湯に押され、捲土重来を期す泉湯の長男と三吉湯の長女は恋仲だった。こうした人間関係を利用し、巧みな弁舌で脅したり焚きつけたりして利益を得ていた陣太郎を、当て逃げの現場を目撃した浅利圭介は「君がそこらをうろちょろすると、その度に、そこらに波紋がおこって、あぶなくて仕様がない。まるで君は春先のつむじ風みたいだ」と評する。はたして、三吉湯と泉湯の争いの行方は?陣太郎の正体は?名作ユーモア小説の完結編。 2021/06/10 発売