小説むすび | 銀色の鈴

銀色の鈴

銀色の鈴

著者

小沼丹

出版社

小学館

発売日

2024年10月10日 発売

人気の大寺さんもの2篇を含む秀作短篇集

〈--へえ、空襲だと云ふのに、暢気な奴もゐるものだ……。
一平叔父の指す方を見ると、土堤の下の石の上に立つて釣をしてゐる男がゐる。大寺さんは苦笑した。大寺さんもだが、一平叔父も着流しの儘で土堤の上に立つてゐる。
ーーわれわれも、暢気ぢやないとは云へませんね。〉
戦時中、疎開先でののんきな代用教員生活を描いた「古い編上靴」と、戦後、妻が亡くなってから、再婚と娘の結婚までを淡々とつづった「銀色の鈴」という、ファンのあいだで評価の高い「大寺さんもの」2篇に加え、子どものころによく訪ねた伯母の家のあれこれを記した「小径」、戦争で亡くなってしまった友人をしのぶ「昔の仲間」など、7篇の秀作を収録。

関連小説

このエントリーをはてなブックマークに追加
TOP