眠れる美女
新設された東京スペリオール・バレエ団。旗揚げ公演『眠れる森の美女』を“バレエ界の至宝”シルヴィア・ミハイロワが演出することになるが、主役に決まった客演のユリカ・アサヒナは我が侭で、嫉妬と反感から人間関係は軋んでいく。そして、悪の精“カラボス”を名乗る人物から不気味な脅迫状が届き、不幸な連続殺人事件が起きるー。カラボストは何者なのか?花音は事件の真相を追う。嫉妬と愛憎渦巻くサスペンス。
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流れ出した原油が夜の帳のように広がる海岸で、美しい女が鳥の死骸を抱いて泣いていた。女の名はローレル・ラッソ。原油流出事故を起こした石油王の一人娘だった。海岸で彼女を見かけたアーチャーは、その翳りのある美しさに心魅かれ自分のアパートに連れ帰った。しかし女は、何もいわずに致死量の睡眠薬を持ち出して姿を消した。夫の依頼をとりつけたアーチャーは捜査を開始するが、両親のもとに身代金を要求する脅迫電話がかかってくるにおよび事件は深い傷口をみせはじめた。悲劇にもてあそばれる人間の苦悩を浮きぼりにする巨匠の野心作。 1990/01/01 発売
“眠れる美女”との結婚が許される条件はー真実の愛。時は1852年。イングランドの北の果て、ノーサンバーランドに、美貌と気品と富を兼ねそなえた“眠れる美女”が隠れ住むという。ロンドンで放蕩三昧に明け暮れる伊達男アダムは興味を持ち、その娘レディ・ヘレナ・ラスフォードに求婚しようと思い立った。ところが行ってみると、ラスフォード邸は暗く荒れ果てた屋敷で、当の“眠れる美女”はやせたみすぼらしい娘だった。はじめは使用人と見間違えたが、よく見ると美しく不思議な魅力がある。求婚は彼女の父に受け入れられたが、結婚に条件がつけられたー娘を放っておかず、やさしく接し、子を作るべく夫婦の契りを結ぶこと。アダムは確信が持てぬまま、気づけば答えていた。「約束します」 2022/08/26 発売