緑陰深きところ
大阪で独りカレー屋を営む三宅紘二郎のもとに、絵葉書が届いた。そこに書かれた漢詩が、封じ込めていた記憶を呼び覚ます。愛した女、その娘。五十年前兄は彼女たちを惨殺したー老境を迎え全て忘れようとしていたが、もう止められない。半世紀、抑えていた殺意が紘二郎の背中を押す。兄のいる大分に向かう途中、ひょんなことから、金髪の若者・リュウを交代運転手として雇うことに。祖父と孫ほど年の違う二人の、不思議な旅が始まった。
大阪で独りカレー屋を営む三宅紘二郎のもとに、絵葉書が届いた。そこに書かれた漢詩が、封じ込めていた記憶を呼び覚ます。愛した女、その娘。五十年前兄は彼女たちを惨殺したー老境を迎え全て忘れようとしていたが、もう止められない。半世紀、抑えていた殺意が紘二郎の背中を押す。兄のいる大分に向かう途中、ひょんなことから、金髪の若者・リュウを交代運転手として雇うことに。祖父と孫ほど年の違う二人の、不思議な旅が始まった。