百年厨房
宇都宮市大谷町の旧家に独り住む石庭大輔。ある日、家に見知らぬ若い女性が現れた。彼女はアヤと名乗り、明治の生まれで大輔の祖父のもと働いていたと言う。友人の紫は「タイムスリップだ!」と騒ぐが、大輔は信じない。だがアヤが作った冷やしコーヒーに驚く。祖父が生前「もう一度飲みたい」と語っていた通りの味わいだったのだ。天涯孤独で食にも興味なく生きてきた大輔だったが、アヤの作る百年前の料理に食卓を楽しむ気持ちが湧き上がる。しかしある日、新たなタイムスリップが起きて…。世紀を超えた“家族”の秘密。運命の鍵は、大正時代のカフェレシピ!?奇蹟の感涙ファンタジー。第3回日本おいしい小説大賞大賞受賞作!