タングル
東都大学工学部の早乙女賢一教授は画期的な光量子コンピューター開発において、世界最先端の位置にいた。スーパーコンピューター開発に固執し、研究費を削る日本を見限って、シンガポールと共同開発プロジェクトを現地に立ち上げる。その計画「オペレーション・夜明け」を牽引するのは、かつて凄腕商社マンとしてアジアで活躍するも、挫折を味わった望月嘉彦。元通産審議官にして日本産業振興の裏業師と呼ばれた天童寛太郎は沈みゆく経済大国ニッポンが起死回生を遂げるためにこの計画を利用しようとしていた。早乙女教授の研究は潤沢な資金と設備によって順調に進んでいたが、世界を変えるコンピューターを巡り、大国間の謀略が始まる…。