小説むすび | 鬼哭

鬼哭

鬼哭

著者

鳴海章

出版社

小学館

発売日

2025年1月22日 発売予定

12人が毒殺された帝銀事件、実行犯の告白

昭和23年、12人が毒殺された「帝銀事件」。
実行犯が告白する驚愕の真実!

亡くなった祖母の遺品整理のため訪れた父の実家で、穂月沙里は近所の古書店主から「穂月広四郎記」と題された奇妙な手帳を預かった。祖母から、沙里が来たら渡すよういわれていたらしい。
店主の話によると、祖母はその店で、昭和23年に帝国銀行椎名町支店で発生したいわゆる「テイギンジケン」関連の資料を多く購入していたという。
謎の手帳には、地元の石井という有名人が創設した部隊に入るため満州に渡った広四郎なる人物の、壮絶な体験が記されていて……。

「昭和100年」となる2025年、戦後最大のミステリーとされる未解決事件に挑む。
実行犯は? 真犯人は? 果たして冤罪か?
遠い過去の出来事が「今」につながる驚くべき結末とは?
衝撃のサスペンス!

【編集担当からのおすすめ情報】
「昭和の大事件をもう一度、鳴海さんの史観から小説にしてみませんか」

最初にそんなお願いをしたと思う。おそらく2022年の年末くらいだったと記憶している。
鳴海さんは「どんなものが読みたいんだい?」とおっしゃって、快く引き受けてくださった。
作家と編集者の関係は、特殊である。作家は自分が書きたいものだけを書くと言う場合もあるが、担当編集者とのやり取りの中で、編集者の想いをくみ取って作品化していただけることがままあるのだ。そして、このようなやり取りの中から本作品はスタートした。

まず「昭和の大事件」は比較的早い段階で「帝銀事件」にしようということでまとまった。
その後鳴海さんは、帝銀事件関連はもとより、石井部隊、登戸研究所から満州開拓の歴史に至るまで数十冊に及ぶ書籍資料と膨大な時間の映像資料と格闘し、最初の原稿をいただいたのが2023年の4月であった。
そこから1年以上の歳月をかけて改稿を重ね、本作品は上梓された。

昭和100年という記念すべき年に、戦後最大のミステリーとされる大事件を、新しい視座から描いた本作品をぜひ楽しんでいただきたいと思います。

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