雷電本紀(小学館文庫)
凶作、飢餓、貧困に悪政が追い打ちをかけた天明、寛政年間、後世まで語り継がれる一人の力士が彗星のように現れた。巨人のような体躯、野獣のような闘志で、生涯にわずか十敗。豪快に相手をなぎ倒すこの男の相撲に、抑圧され続けてきた民衆は快哉を叫び、生きることへの希望を見いだしていった。実在する伝説的相撲人・雷電の一生を、雄大な構想と綿密な時代考証をもとに、足かけ六年の歳月を費やして執筆。いずれも粒ぞろいの飯嶋和一の歴史小説だが、その嚆矢として作家の名を鮮やかに読む者の脳裏に刻み込んだ、感動の歴史大作である。
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雷電本紀雷電本紀
天明、寛政、化政期、彗星のごとく現われた馬ヅラの巨人が相撲をかえた。魔物のように相手に躍りかかり、全力で打ちのめす、その姿に、悪政と飢饉にあえぐ民は、自らの運命を託した-稀代の相撲人・雷電為右衛門の数奇な運命とその時代を、後援者・助五郎との交わりを軸に壮大な構想力と考証をもとにはじめて描破した書き下ろし長篇小説。 1994/06/15 発売