ぴしゃんちゃん
小さな借家に住み、薬草を売りながらその日暮らしをしている「ぼく」は、期待されると姿をくらましてしまうため「ジョーハツ」と呼ばれている。仕事からも愛する女性からも、逃げ出してしまうのだ。ある日、そんなジョーハツのもとに突然現れたのは、好奇心旺盛でおしゃまなしずくの女の子、ぴしゃんちゃん。「あたしのこと、そんじょそこらの水滴と一緒にしないで」と主張する彼女には、蒸発できない“しずく的事情”があるらしい。似たもの同士の二人は心を通わせていくがー。彼らが過ごした春夏秋冬を著者自ら描き下ろした挿画も収録した、大人のための物語。