お江戸ありんす草紙 百両の秘本
日本橋の貸本屋、舞鶴屋で働くおいちは、もと吉原の花魁の卵。その可憐な姿に惹かれて、おいち目当てで訪れる客も少なくない。ある日、旧知の仲である木綿問屋伊勢屋の手代岳三が舞鶴屋にやってきた。岳三は、絵と文を使って謎を閉じ込めた判じ絵を解読するための種本を捜しているという。気軽に「本を捜してみる」と請け負ったおいちには、それが姉の千代姫も巻き込んだ大騒動の発端になるなど、知るよしもなかった。岳三は「その本には、百両の値打ちがある」と言うのだがー。双子の姉妹が入れ替わりながら禁断の書を追う、あやかしお江戸ミステリー!