夏の果て
広告企画会社を経営している僕は、東京オリンピックに沸く池袋に育った。19歳のとき実業家の父が事業の失敗から5億円の負債を残し失踪してしまう。苦学しながら大学を卒業し、バブルまっただ中の大手広告代理店に就職する。百鬼夜行の業界を生き抜いていく僕。仕事は成功し賞も多数獲得する。しかし心の奥に暗くまとわりつくのが父親の影だった。失踪から30年が経った時、僕は父親の行方を捜すことを決意した…。多感な青年の成長を縦軸に、生々しいCM制作現場での戦いを横軸に、広告界トップクリエーター岡康道が描く鮮烈な自伝的小説。