田園調布のおばけ屋敷
家庭の事情で住むところに困っていた大学生の僕・遠城寺廉は、尊敬する教授の紹介で田園調布に下宿することになった。ここは東京のはじっこにある、都会のような田舎のような、ちょっと不思議な町だ。下宿先は、ご近所から「おばけ屋敷」と呼ばれるレトロな豪邸で、大家の宝来碧さんは正体不明の美人だった。家事をしない宝来さんの代わりに料理や掃除を担当し、家賃は食費二万円のみ。破格の条件につられて住み始めたが、宝来さんの日常は謎に包まれたまま。そんなある夜、僕は宝来さんが電話で「死体の件は、問題ない」と話しているのを盗み聞いてしまい!?