提灯奉行 一寸法師の怪
時の将軍家斉の御台所寔子の夢枕に一寸法師が立った。あれは水子として葬られた我が子・長丸に違いないという。異変を察知したお年寄り筆頭の今和泉は、過ぐる年、織田信長の残党・影母衣衆の魔の手から寔子を救った提灯奉行・白野弁蔵に探索を依頼する。弁蔵は御目付神保中務から陰扶持を頂戴する直心影流の達人だ。その矢先、城中から御台所と今和泉が失踪する。長丸のお骨は神君家康公を祀る久能山東照宮にあった。弁蔵はすぐさま、自分を親分と慕う鳶の朝吉と元辰巳芸術の君蝶を引き連れて駿河国に着到する。著者が全力を傾注して書き下ろすシリーズ第2弾。