満月の夜、モビイ・ディックが
モーツァルトとバス釣りと家庭崩壊ー。地方の大学生・鯉沼のそんな日常は、同級生・香澄との出会いで一変する。それまでとは異なる色と輝きに包まれた世界。しかし、香澄との距離感をなかなかうまくつかむことができない。ある日鯉沼は、絵描きの友人・タケルの運転する水色のフォルクスワーゲンに乗って香澄と旅に出ることにするが…。「人と人は完全には分かり合うことはできない」という認識に立ち、だからこそ相手を愛し受け入れる選択の大切さを問う「世界の中心で、愛をさけぶ」著者の青春恋愛小説。