口中医桂助事件帖 葉桜慕情〔小学館文庫〕
桂助の名を騙った者に治療されて子供が殺され、そのあと妻も自害したという武士が、仇を討つといってあらわれた。表乾一郎と名乗る男は、桂助と面会して誤解だと納得したが、上総屋のおいとが殺され、桂助は捕らえられる。いったん犯人が見つかったかに思えた偽口中医の事件だったが、犯行はさらに広がりを見せた。そして、桂助がついに突き止めた真犯人から、意外な絡繰りと背後に潜む悪の存在が明らかになる。今回は、熱心に求婚を迫る男が登場することで、桂助への思いとの間で揺れ動く志保の微妙な女ごころも描かれている。書き下ろし人気時代小説第四弾。