口中医桂助事件帖 すみれ便り〔小学館文庫〕
永久歯が生えてこないという娘おてるを診ることになった桂助。彼女は、桂助とともに長崎で学んだ斎藤久善の患者で、その見たては間違いなかった。斎藤のところには患者が多数詰めかけ、“いしゃ・は・くち”は閑散としていた。桂助はその前に、亡くなった恋人・彩花が、奇しくもおてると同じ病気だったことを知り、衝撃を受けていた。そこに、同心の友田からの依頼で、傷のない死体を診た桂助は、すみれの花の汁がついていたことを見つけ、その真相に迫っていくのだが…。新たに入れ歯師が仲間に加わることになる、人気シリーズ第五弾。