国芳一門浮世絵草紙 2 あだ惚れ
“あだ惚れ”とは、むなしい恋のこと。ねずみ色が粋なのは、あきらめの色だから。むなしい片恋でも思い切れないのは、惚れてしまったから。花魁の匂いは「裾風」。馬鹿の馬と不埓の埓で「馬埓」。北斎との邂逅を描いた「畸人」。人の心も花のように褪めやすい「桜褪」。高野長英の脱獄をめぐる遠山の金さんの「侠気」。天保改革の嵐の中、相変わらずの即席頓智で、ひとり気を吐く江戸っ子浮世絵師国芳と娘の侠風美少女登鯉を巡る人々の織りなす浮世模様、そして様々な、むなしい片想い。シリーズ第一作『侠風むすめ』が絶賛された、注目の第二弾。